副作用には注意する

抗がん剤治療には、当然ながら副作用があり多大な苦痛が伴うものです。これまでは病気の治療が優先され、副作用の方は軽んじられていました。抗がん剤は、がんの治療に不可欠という考えが医学界全体に行き渡っているためです。そのため、患者が抗がん剤による副作用で苦しんでいる場合でも、その苦痛を軽減させる措置は講じられてきませんでした。しかし、最近では抗がん剤による副作用とその苦痛を軽減させることも、治療の一環と考えられるようになってきました。副作用の苦痛のために治療を断念してしまっては治療の意味がなくなります。がんの総合的治療を推し進めるためにも、患者の苦痛を減らしていくことは重要と考えられるようになってきたためです。

最近の総合病院の患者対応として、苦痛軽減のための心理療法を行う所が増えてきました。抗がん剤の副作用に苦しむ患者に対しても、同様の治療が行われるようになってきました。心理療法士によるカウンセリングを行うことで、患者の苦痛は2割から3割軽くなるという報告もあります。また、心理療法を行っていない病院においても、インフォームドコンセントを充実させようという動きがあります。抗がん剤治療の成果を詳しく患者に伝えることで、患者自身が次なる治療に意欲的になることも分かってきました。患者が前向きになることで、その治療効果も大幅に上昇します。今後のがん治療は、患者の気持ちにも寄り添う形で進められるケースが主流となると予測されます。